ソクラテスメソッドに心折れそうな僕

ロースクール
ロースクール

どこのロースクールでも採用されているソクラテスメソッド。

教授との問答を通して授業を進行させる方式で、生徒の受け答え次第で授業の流れがスムーズに進んだりそうでなかったり、というものです。

もちろん、先生の質問にあまりにもひどい答えをしてしまった場合には、成績評価に影響を及ぼすこともあると言われています。

ですから、ロースクール生は一生懸命に予習をするんですよね。

ところが、この予習がとてもとても時間がかかってしょうがない。

よく、勉強は予習よりも復習が大事だという言説がありますよね。僕もそう考えているものの一人ですから、正直予習に何時間もかけるこの手間暇が、あまりにもストレスなんですよね。

確かに、先生からの質問にスパンッと答えられたときは、その気持ちよさから知識が頭に残ることがありますし、逆に頓珍漢な答えをするときは、それはそれで恥ずかしさあまりに印象に残って知識が頭に残ります。

現に僕も、初めての民事訴訟法の授業で、「すべての主要事実は証明が必要なのですか」との質問に、「主要事実は証明が必要です」と答えてしまいました。だからこそ、自白は証明不要であるということが頭に今もこびりついています(笑)

ただ、やっぱりそこで印象に残る知識って、1か月で2~3個くらいなものです。1回の授業で先生に当てられる人数は、その先生によって大きく異なりますが、やっぱり1回の授業ですべての生徒に当てるのは難しいです。

特に、中大のロースクールは、1クラスに40人程度の生徒がいますから、1週間通して1度も当たらないなんてことも、席によってはありえます。

しかも、僕自身が教室のほぼ隅っこに座席があるので、そうそう当てられることは無いのです。基本、前から当てていく先生ばかりなので。

いやいや、実は僕的には当てられない方がうれしいんですけどもね。

とにかく言いたいのは、先生から飛んでくる質問に備えて、一生懸命に予習をせざるを得ないものですから、とても忙しいのですよね。

いや、ほとんど当てられることがないのなら、予習しなくてもよいときの方が多いのでは?と思う人もいるでしょう。

しかし、変なところはまじめな僕。予習をせずに授業に出席するということができない性分です。逆に、予習をしなかった場合、授業を欠席するまであるのが僕です。本当に変なところでまじめな僕。

そういう性分なので、基本予習はちゃんとやります。司法試験に備えて、きちんと紙の上にボールペンで書いて予習をします。パソコンで打ち込んで予習をすることはありません。

そうやって、1科目に最大5時間ほどかかってしまうものなので、復習をする時間もないし、そもそも疲れるしでね。

そして、そこまで予習をやってみても、いざ授業となると、予習とは全然関係ない質問とか飛んできたり、予習した段階では気づけなかった部分を聞かれたりして全然うまく答えられなくて・・・

こんだけ一生懸命に予習をやってみても、うまく答えられないので、なんというか、ソクラテスメソッドって世知辛いなあと思いますね(笑)

ただ、そこらへんは先生もわかっているのか、そこまで質問の受け答えの良し悪しを厳密に評価している先生はかなり少ない印象です。

だから、まあ良いっちゃあ良いんですけどね。

でも、やっぱり当てられるからにはバチンッと答えたい。だって、変なところでまじめなんだもん。

ところで、僕の通っている中央大学ロースクールのソクラテスメソッドは、基本的には与えられた事例問題等を題材として質問が飛んでくる形で授業が進行していきますが、授業によってはもっと法的な知識が必要ない、素人感覚の答えで構わないようなソクラテスメソッドの授業もあります。

ところが、それこそもっと難しい。

知的財産法の授業がまさにそれなのですが、例えば、具体的な言語の著作物を見せられて、これが創作的か否かを考えさせるというものです。もちろん、絶対的な正解はないのだと考えれば、創作的ですと答えても良いし、なんだって良いんですけれども、問題なのは、そう答える理由なんです。

皆さんは、その場で理屈を込めて結論を出すのが得意ですか?

僕は大の苦手です。

ISTPという性格分類診断でも、僕はその場で理屈をつけて説明するのは苦手なタイプだそうです。

法的な知識が不要な分、予習に時間を割く必要は皆無なのですが、逆にその場でそれっぽいことを言える力は必要なんですよね。しかも、先生からの反論は飛んでくるので、それもうまいこと返していく必要があるという・・

だから、予習が不要な分だけ、口達者な人はただただ楽しい授業なのかもしれないのですが、僕のような口下手は非常に窮屈な授業で、それはそれでしんどいのですわ。

そんなわけで、ロースクールの授業形態にクタクタな僕です。

しかし、そんな僕にもオアシス的な授業があって、それが刑法です。

今、僕のクラスの刑法の授業を担当してくれている先生は、ほとんど質問しませんし、するとしても、予習で配布されているレジュメのクエスチョンのみ聞くので、予想外の質問は飛んできません。

ほとんど質問しないと言いましたが、3コマ(150分)の授業で5人くらいしか当てられませんし、なんだったら、2人とかしか当たらないときもあったり、0人だった時もありました(笑)

そうなると逆に、眠気と戦っているクラスメートが多くなるんですけど、むしろそういう授業の方が僕的には集中して受けることができて、とても気分が良いです。

これは一体どういうことなんですかねえ・・・

ちなみに、先生からの質問に備えてきちんと予習をしてくる人ばかりというわけでもなく、今回は当てられないから予習はしないと覚悟を決める人もいれば、他クラスで既に授業を受け終わった友人から授業内容を聞いて質問内容を先取りする人もいたり、いろいろな方法でソクラテスメソッドを乗り越えているようです。どんな方法が学力向上にとって役立つのか、現時点では良く分かりませんが、やっぱり復習にしっかり時間を割きたいと考えるクラスメートはかなり多い印象ですね。

ここまで、授業に対してネガティブな印象だけ与えてしまったかもしれませんから補足しておくと、授業の内容自体はとても分かりやすいと感じます。

それは、単に予習を一生懸命やっているからと言うだけでなく、やはり知識がきちんと整理されるように授業を展開してくれる先生のすばらしさに感動しているから故です。

分かりやすさという点では、予備校が出版しているような参考書もグッドなのですが、そこで触れられている内容は、決して深く理解できる作りにはなっていないように感じます。より深い知識についてもわかりやすくまとめるのに、先生のレジュメや授業は必須級だと感じます。

なので、結局授業に面倒くさがっているものの、やっぱり出席したいなという気持ちもあるのが正直なところなんですよね。

だけど、ああ、もう今日は本当に面倒くさい!というときは、正直に休む(笑)

そんなこんなで、ロースクール生活を送っています。

以 上

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