僕は、中央大学法学部から中央大学のロースクールに、一般選抜で入学しました。
中央ローの入試は、法学部法曹基礎課程(法曹コース)からそのままローに進学する人向けの開放型選抜(上三法の試験)と、法曹コースではない人でも受験できる一般選抜試験(上三法+訴訟法+会社法の試験)があります。
僕は、法学部の中でも法曹コースに属していましたが、開放型選抜を併願すらすることなく、一般選抜のみで勝負して無事に合格しました。
中央ローは、学費の支援制度が充実していることで有名で、入学試験の成績に応じて、上位50%なら学費が半額免除、更に上位だと全額免除されるという素晴らしい学校です。
そういうこともあり、僕は中央大学のロースクール一校のみを受験し、なんとか半額免除で入学することができました。
今回は、僕がロースクールに合格するまでの学部生4年間をいかに過ごしてきたかをお話してみようと思います。
大学受験終了〜入学まで
僕は、大学受験が終わった翌日から、民法の勉強に取り組み始めました。
なぜ民法かというと、なにやら民法を苦手とする学部生が多いという話をYouTubeかどっかで聞いたからですね(いわゆる民法を制する者は…ってやつ)。
使った教材は、專ら伊藤塾の参考書でした。
司法試験予備校なるものがあることは大学受験が終了する少し前に知り、伊藤塾とかいうところが有名だと知った僕は、ひとまず伊藤塾の本を買えばハズレはないだろうと踏み、そうしました。
そこで購入したのが、中古の『伊藤塾の試験対策講座(シケタイ)』と、新品の『伊藤塾の試験対策問題集』です。
今から思うと、いきなりシケタイは分厚すぎて良くなかったと思いますが、試験対策問題集の方は、三段論法の書きぶりを把握するのに非常に役立ち、買って良かったと今でも思います。
そういうわけで、この伊藤塾でインプット&アウトプットを実践し、とりあえず総則・物権(担保物権を除く)まで勉強しました。
また、中古で買ったシケタイは民法だけでなく、刑法の総論と各論、そして憲法も買っていたので、刑法と憲法も多少は勉強しました。
刑法は総論の正当防衛くらいまで、憲法は表現の自由くらいまでです。
憲法の方は、やはり伊藤塾の試験対策問題集を買って、アウトプットとセットで勉強していましたが、刑法の方は專らインプットのみです。
基本は、民法を制するがため、民法を沢山勉強しました。
とは言っても、一日の勉強時間は平均5〜6時間程度だったように記憶しています。
なぜならば、学部1年生から司法試験に向けて勉強するならば、一日3時間程度勉強すればOKみたいなネットのブログか何かを見たからです。
入学〜1年生前期まで
そうして入学した中央大学。所属したのは、法学部の法曹コースで、5年一貫型(学部を3年で卒業し、そのままローに進学するコース)を選択しました。
しかし、入学する少し前から始まったのが、コロナウイルスによる外出規制です。
学校も完全閉鎖となり、オンデマンド配信やリアルタイム配信で授業が行われるようになりました。
通学時間が削減される結果、時間は一層確保できるかと思われました。
ところが、大学受験終了時から、地元の仲間たちと「埼玉の魅力を取り上げるプロジェクト」を立ち上げて色々と活動していたのんですよね。
また、親の因縁で家庭教師も週3でしており、その他自分が所属するコミュニティでの活動もあり、これらに対する負担も重なったか、オンデマンド配信型の授業を視聴する余裕はありませんでした。なので、結局ほとんど視聴していませんでした笑笑
ただ、前期は民法だけが専門科目でしたから、すでに入学前に勉強の貯金があった私は、結局前期試験の成績もそこまで悪くありませんでした!
と言いたいところですが、
成績はC(GPA2.0)でした…
ただ、入学前に試験対策問題集をやっていたこともあり、期末試験を迎える頃には三段論法もそれなりに分かってきていて、答案の書き方自体に苦労することは無くなっていました。
ゆえに、まだまだ知識の定着がなされていなかったということでしょう。
ちなみにこの間、英語、ドイツ語、法学入門、導入演習(ゼミ)、といった科目の勉強やレポートに追われており、そこまで法律の勉強に手を回す時間的余裕は無かったと記憶しています。
1年生の夏休み
本当であれば、この時にガッツリ勉強したいという思いがありましたが、先に述べたプロジェクト活動に精を出していたこともあり、一日の平均勉強時間は3〜4時間程です。
勿論、プロジェクト活動がない日は9〜10時間は勉強しましたが、そういう日は10日もありません。
この間にやっていたのは、民法の総則〜債権総論までを勉強し、憲法と刑法は入学前に勉強していた内容を復習しました。
債権総論は、シケタイの新品を本屋で買いました。
記憶にあるのは、担保物権の勉強はすごく眠かったことです。債権に対する理解がまだ無かったからか、これが担保物権を難しく感じさせました。
ところで、この時期から塾講師のバイトに応募するようになります。
寮の月謝を払うのに、家庭教師だけでは難しく、他にバイトをする必要があったためです。
これが、私の人生をいろんな意味で大きく動かします笑笑
人生の繁忙期(1年生後期〜春休み)
1年生の後期に入りました。
週2〜3の家庭教師、週2〜3の塾講師、さらに地元の仲間たちとのプロジェクト活動、僕が所属しているコミュニティの活動が重なり、後期が始まって割と早い段階で、司法試験に向けた勉強をすることはなくなりました。
もはや、外国語と導入演習の勉強だけで手一杯という状況でした。
この間、3時間程度の睡眠しかできない日が3〜5日程続いては、翌日12時間位寝て、また3時間睡眠が3〜5日……の繰り返しの日々を送っていました。
正直、勉強したいという気持ちも大きかったですが、かたや心は活き活きとしていました。
ああ!自分!生きてる!
この時、僕はタフに働こうと思えば働くことができるんだなという自分のポテンシャルを知ることができましたし、自分の心をコントロールする術を手に入れました(この間、疲れたとか眠いとか、そんな言葉は使わないようにしていて、結局誰かに言いたいと思うことすらなかった)。
後期は、憲法の人権と、刑法総論、民法の総則と物権法が専門科目でして、民法の授業は頑張って受けましたが、刑法と憲法の授業はかなりサボってしまいました。
結局、1年後期の期末試験の成績は、民法A(GPA4.0)、憲法C、刑法Cでした。なんやかんやで落単はせずでした。
後期が終わり春休みに入りましたが、忙しさはほぼ変わらずです。
法律の勉強は、春休みの最初の2日だけ10時間ずつ勉強しました(なんの用事も入ってなかったため)が、それ以外の日は全て用事で詰め詰めで、勉強は0秒、睡眠時間は相変わらず3時間が続く日々です。
そしてついに…
コロナに罹患する
まだまだコロナの影響で、マスクをつけることが努力義務とされているようなご時世です。しかも、コロナにかかったら、近くのホテル等隔離施設に収容されるご時世でもあります。
そんな中、さすがの日々に免疫力が落ちたか、コロナに罹患しました。そして、僕も例に漏れずホテルに4日程度収容されました。
この間、熱は40度を記録しましたが、ホテルに収容されてから1日経ったくらいの頃にはすっかり冷めていました。
ところが倦怠感は全く抜けず、ホテルを退所してからも3週間程まともに動くことができませんでした。
僕がコロナに罹患した時にはすでに前期が始まっていました。コロナにかかったときは、出席配慮願を届け出ることで欠席扱いにならないという制度が大学に設けられていました。
僕は、とりあえず隔離が終わったタイミングで、過去2週間分の配慮を申し出ました。
ところが、まさかこの後も3週間程度の倦怠感に苦しめられるとは思ってもいなかったし、そもそもコロナに罹患した後もしばらく強い倦怠感が続く場合があるという情報すらまだあまり知れ渡っていなかったのでしょうか、僕の耳には届いていなかったため、隔離終了後もしばらく動くことができないで寝てばかりいることが、コロナではなく自分の怠惰な心に由来していると勘違いをしてしまいます。
もちろん、コロナが原因など知るよりもないため、追加の配慮願を申請することもありませんでした。
そういうわけで、自分の怠惰ゆえに欠席が3週間も続いていると思い込んでいたので、これにつられて勉強へのやる気も完全に失ってしまいました。
また、バイトも辞めました。そして、所属している様々なプロジェクト活動からも一度手を引くことにしました。
2年生の前期の成績は、かろうじてドイツ語は単位を取得し、また、憲法統治も授業に2〜3回しか出席していないもののD(GPA1.0)を取り耐えました。
しかし、債権総論、家族法、英語などの単位は落とし、結局履修登録していた単位のうち半分を落としました。
全く勉強を止める(〜2年生12月)
勉強のやる気を完全に失った僕は、2年生の夏休みは勿論ほぼ勉強していません。かろうじて、10時間ぐらいはやったと記憶しています(もちろん、2カ月間の合計勉強時間)。
ではこの間、自分は何をしていたかと言いますと、なんとYouTubeでゲーム実況の動画投稿を始めますwwwwwww
ちょうどこの時期にリリースされたとあるゲームがあり、これは面白そうだと思った僕は、どうせだったらゲーム実況でお金を稼ごう!とかいう安易な考えから、YouTubeで動画投稿を始めました。
動画編集の仕方は、簡単なフリーソフトで触れたことがある程度には知っていましたが、やはり本格的な編集力をば!と思い、AdobePremiumProという有名なサブスク式の編集ソフトを購入しました。
その後、後期が始まったものの、前期で英語の単位を取得できなかったことから同じ先生の後期の英語を受講するのはなんだか恥ずかしい気持ちがしたので、英語の授業は1度も出席しませんでした。
また、英語以外の授業にも出席したりしなかったりで、もちろん司法試験の勉強は一切せずに、動画投稿に精を出します。
ちなみに、YouTubeは1ヶ月で登録者100人、2カ月目で300人、3ヶ月目で600人…と増えていくと、チャンネルとしては成功していると当時言われていました。(今もそうなのかな?)
この成功ルートに僕のチャンネルも乗り、3ヶ月以内に600人の登録者を獲得していました。しかも、最高視聴回数は1万回再生を突破していました。
ところが、僕が当時專ら実況していたゲームは、あまり有名になることもなく、さらに、プレイヤーの年齢層が高めでYouTube世代が主でなかったこともあり、600人を突破したあと更に1ヶ月経った時の登録者数は750人位にしか増えませんでした。
動画視聴者のうちのチャンネル登録者数が、ある一定の割合を超えると、チャンネル登録者の伸びは期待できなくなるという話があります。
まさに僕のチャンネルはその割合を大幅に超えており、チャンネルを運営し始めて4ヶ月、ときはすでに12月初頭、これはもうチャンネルの未来は無いなと感じ始めていました。
さらにこの時期、期末試験が近づいて来ているという危機感がある中、債権各論の授業は4回位しか出席していなかったため、このままだと各論も落としてしまうし、しかも商法なんて2回くらいしか出席していなかったため、もはや絶&望状態でした。
12月31日、年内最後の動画を投稿した後、僕の気持ちは突然、勉強へと向き始めました。
学習再開(2年生後期1月〜春休み)
期末への危機感から始まった突貫工事的期末対策。
この時から、私はとある参考書に出会いました。
それが、アガルートから出ている『実況論文講義』という市販の参考書。
この時には、分厚い本ではなくまずは薄い本から勉強すべきだという考えがあったので、薄い本を探した結果、この問題集に出会いしました。
同じようにして、伊藤塾から出ている呉先生が執筆した『債権各論』にも出会いました。
これらを用いて、ひとまず一気に債権各論だけ勉強しました。
商法は、呉先生の本が無かったので、レジュメと『実況論文講義』で勉強しました。
期末試験は、無事に債権各論、商法の単位を落とさずに済みました。ただ、もちろん成績は決して良くはありません。(どちらもD)
しかし、呉先生の本のわかりやすさと、実況論文講義のコンパクトさに感動し、これらを使って憲法から訴訟法まで勉強しようと決めました。
この時、まだロースクールは眼中にはありません。
ちなみに、YouTubeは1月初頭の投稿を最後に辞めました。
本格勉強期1(3年生)
入学前の貯金はどこへやら、すでにすっかり落ちこぼれになっていた僕。
ここからロー半免までの約1年3カ月、どうやって勉強したかをお話します。
先に申し上げておくと、5年一貫型のコースを選択した私は、3年進級時での適性試験で不合格となり、3年での早期卒業の道は断たれています。
かくして勉強を再開するようになった僕は、『実況論文講義』で、まずは憲法〜訴訟法までを勉強していくことに決めました。
まず憲法で驚いたことがあります。伊藤塾の試験対策問題集で書いていた、いわゆる審査基準論というのがアガルートでは使われていないことです。
いままで、憲法の答案を書くのなんて訳ないと思っていたところ、実況論文講義の模範解答を読んで、これは大きな勘違いをしていたと分かりました。
まさかこんなに判例の言い回しが大事だとは…
そして、全ての判例で言い回しを覚えなければいけないのか??という考えになり、憲法についてはこの時から大きな苦手意識を持つようになりました。
インプット系の参考書としては、呉先生シリーズにするか『基本憲法』にするか迷いましたが、より薄い方である『基本憲法』を選びました。
この当時、『基本憲法』はあまり世の中のブログ等で取り上げられていた記憶はありませんでしたが、今日は初学者から司法試験受験者まで定評がある基本書として挙げられていますよね。
実際、サッと勉強する分には非常に良かったです。
刑法は、学校で指定教科書とされていた『コンパクト刑法総論』『コンパクト刑法各論』を使いました。理由は言わずもがな、コンパクトだからです笑笑。
やはり、サッと勉強するにはとても良く、これでインプットしてから『実況論文講義』で論述の練習を積んでいきました。
民法は、呉先生の債権各論に加え、債権総論と物権法も購入しました。
総則は学校の指定教科書で勉強していましたが、そのうち総則も呉先生のものを買うことになります。
家族法は、僕が4年生の頃には出版されていましたが、まだこのときは無かったかと記憶しています。
民法はそれなりに理解しているつもりでしたが、いざ読んでみると、ああ、こんな論点あったっけ?とか思うことも多く、まだまだ知識が身についていないと感じました。
会社法は、紅白本を購入して春休みの間に通読しました。
論点を抑えるのではなく、条文や制度の趣旨の理解に重きを置いて読みました。
使った問題集はやはり『実況論文講義』です。
民事訴訟法は、3年の夏休みの終わり際から勉強し始めました。
まず、伊藤塾から出ているファーストトラックシリーズの民事訴訟法を、近くの図書館から借りて2日かけて読みました。その後、リーガルクエストを購入し、3日かけて8割程度読みました。
その後は、『実況論文講義』で論述の勉強をし、さらに辰巳から出ている『えんしゅう本』を8割方勉強しました。
このときは、民訴もそれなりに分かってきたかな?と思っていましたが、今から思うとあんまりよく理解していなかったなと思います。結局は論点主義に近い状態に陥っていて、どういう状況でその論点が出てくるのか、分かっているようで分かっていない状態だったなと今なら分かります。
ところで、呉先生シリーズは、本の最後に論証カードか載っていたのですが、刑法、民訴、会社法は呉先生シリーズを使っていなかった(あるいは出版されていなかった)ので、『アガルートの合格論証集』も購入したのがこの時期。『実況論文講義』に出てきた論点に絞って、『合格論証集』も参照しました。
そして、夏休みが終わった3年生の10月頃、実況論文講義も周回したな…と思い始め、アガルートの重要問題習得講座を購入して、以降重問でさらに勉強していきました。
ゆうても『実況論文講義』に絞った論点の勉強しか身についてない状況ではあったので、まずは重問に出てくる論点の理解から始めていきました。
そして、後期からは行政作用法の授業が始まったので、『実況論文講義』の行政法も購入して試験範囲部分を勉強しました。そして、重問も同じように勉強しました。
知財を選択しようと決めたのは後期になってからだったと記憶しています。
『知的財産法演習ノート』を買い、『特許法入門』を図書館で借りながら勉強していました。
ただ、特許請求の範囲とか、技術的思想の範囲とか、なんか良くわからかい概念に戸惑ってしまって、なかなか理解が進まなかったですね。
蓋を開けてみれば、特許請求の範囲というのは出願書類にある『特許請求の範囲』という項目にかかれてある発明内容の範囲のことで、技術的思想の範囲ってのは端的にいってしまえばアイデアの範囲っていう位の意味の言葉ですが、それに気がつくのはローに入ってからでした笑笑
実はこの3年生の時に初めて予備試験を受けました。
民訴を夏休みの終わり際から勉強し始めたと書いたことからもう予想はつくと思いますが、短答式試験も通らなかったです。
3年生終了時では、行政作用法は授業で受けたものの、まだ刑訴、行政救済法、著作権法、実務基礎科目には触れていません。
結局、2年で半分程単位を落としている関係上、授業の負担も大きかったため、專ら司法試験の勉強というわけにもいかなかったのです。
ただ、3年生になってから大学での授業が完全に解禁されましたので、通学時間に勉強するなどの有効活用はするようにはしていました。
ちなみに、家庭教師だけは再開しました。一方で、所属するコミュニティの活動は僕が休んでいた間に世代交代が行われていたため、もはや僕が敢えて出しゃばらなくても回るようになっていました。頼りにはされていましたが、そこまで深く介入することはありませんでした。
春休みと3年次の夏休みは、平均6〜8時間くらいは勉強していました。
あれ?少なくね?と思われた方もいると思います。
なんかよくわからないのですが、ほんの2年くらい前までは、何もない日は9〜10時間は勉強できていたのですが、もうそんなには集中力が続かなくなってしまっていました。
それ以外の時間は何をしているんだって話ですけど、寝ていることが多かったです。
実は僕、もともと体力がある方ではありません。もちろん、タフに働こうと思えば働けることは過去の経験が物語っているのですが、いってしまえばそのときは精神力でなんとかやっていた(だからこそコロナに罹患した)ところか大きかったと思います。
時間に余裕ができた結果か、はたまたコロナでさらに体力を失ったことも影響してか、2年前の時のように、10時間も勉強できるだけの集中力はもうありません。
本格勉強期2(春休み〜4年生8月入試)
刑事訴訟法は、3年終了後の春休みから着手します。
やはり呉先生の刑訴法を使って勉強しました。刑訴法については、呉先生の本の最後の方に載っている論証カードを全て暗記するように努め、これと『実況論文講義』『重要問題集』を使って論述の勉強をしています。
ただ、その後4年生の前期で刑訴法の授業を受けますが、授業を受けて初めて、自分は刑訴法を理解しているようで理解してなかったと思い知らされました。所詮はその程度の理解しか進んで無かったことはご了承下さい。
実は、ロー入学を決意したのは、4年が始まって6月半ば位の時期でした。
もはや今年2回目の予備試験も希望がないと踏んでいたところ、学部を卒業して司法浪人として独学を選択しようかと考えていたのですが、親の勧めでロースクールに入ろうと考えました。
ところが、時期も時期で、そもそも出願が終わっているローもいくらかありました。
また、出願できるとしても学部時代の成績を見るところが多く、2年次に壊滅的成績を叩き出していた僕には難しいと言うことは明らかでした。
さらに、学費は親に出してもらっているので、なるべく安く済ませたいという思いもありました。
その中、僕が選んだローの候補は次の2つです。
1つ目は中央大学ロースクールの一般選抜入試。
中央大学のロースクールの開放型選抜は法曹コースであれば受験することができるため、僕も受験することができます。
しかし、3科目しか試験がないため、おそらく学部の成績がかなり考慮されるだろうと思いました。
そこで、敢えて6科目の一般選抜入試を選択しました。そして、こっちなら試験の成績次第で学費免除も狙えるだろう、そんな算段もあってのことです。
ちなみに、開放型選抜を追加費用なしで併願することもできたのですが、なんかどうせ受かっても学費免除は無理だろうから、という理由で敢えて出願しませんでした。
2つ目は千葉大学ロースクール。
試験科目は上3法のみだったかと思いますが、学部の成績が考慮されないという点で、僕でもなんとか戦えると思いました。
そして、国立だから学費も安い。
魅力的だったのは、24時間使える自習室。
もし千葉大のローに入っていたならば、千葉県にある父方の実家に住むことにするつもりでしたから、お金の面もまだ安く済む。
しかも、出願締め切りがかなり遅く、中大ローの合格発表があった後でも出願できるため、相性が良かったというのもあります。
そういうわけで、一旦選択科目と行政法の勉強は授業に関係する限りで最小限にしておき、憲法、民法、刑法、民訴、刑訴、会社法の6科目に絞って4年生の前期を過ごすことになります。
4年生ともなれば、さすがの僕でもかなり時間ができましたので、この間に憲法以外の各科目の重問をひたすらに回しました。
問題をみたら、サッと論点が出せることを目指しました。サッと出せなかったもの、そもそも趣旨や規範が覚えられなかったもの、摘示する条文が思い出せなかったものは、ノートにまとめておいて時間がある時に確認するようにしていました。
憲法については、いまだ苦手意識が強かったため、苦手意識があるならむしろ暗記より理解重視で深い勉強をしようと試みました。
具体的には、毎年出版されている『重要判例集』から人権に関する部分(選挙権含む)の中でも特に最高裁の判決の部分を過去数年分にわたって勉強し、それに関する百選掲載判例・重問や法学教室掲載の演習問題に触れていく、そんな勉強をしました。
結果、その年にローの入学試験で出題されたのは財産権の問題でしたが、財産権についてもそれなりに勉強してきたところだったので、とりあえず書けたことには書けました。
ちなみに、それでも刑法各論、民訴の複雑訴訟は勉強が間に合いませんでした。
しかし、運も味方したか、出題されたのは刑法では錯誤論、民訴では既判力だったので、とりあえず書けたことには書けました。
あ、もちろん過去問も解いてますよ!
中大ローに合格しました
そういうわけで、合否については冒頭お話した通り、合格しました。
そして、狙い通り学費の半額免除を取りました。
こんなにうまくいくものなんだなと思いました。
結局、1日6〜8時間くらい独学で、1年と半年程度かけてなんとか半免という程度です。
世の中には1年とたたずに予備試験を突破する者もいますし、わがロースクールにも、純粋未習でまだ1年しか法律の勉強をしていないのに、既習も含めたクラスメートのなかでも一二を争うほどの頭のよさを発揮する人もいます。
そして、中大ローよりも上位のローはたくさんあります。
すごい世界に入ってしまったと思う自分がいるのですが、なんとかもう少し闘ってみようと思います。
紆余曲折あった学部生時代ではありましたが、なんやかんやでローには入れたので、ローを目指そうという皆さんも、最後まであきらめずに頑張ってみてください!
以 上
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