行政庁の行為の処分性を検討するにあたって、公権力性を認定するときに、どのような言い回しをするでしょうか?
気をつけなければならないのは、単に「一方的に行われたこと」を適示するだけでは足りない可能性があるという点です。
なぜならば、私人間で行われる贈与なんかも、一方的に行われるからですね。
学校の先生曰く、公権力性を認定するときは「行政機関の判断として行われた」という言い回しを使うべきだと教えてくれました。
確かに、判例(最判昭和45・7・15 百Ⅱ-142)の言い回しもそうなっていると確認することができます。
この事案は、供託官への供託金取戻請求に対してした、供託官の「却下」が処分か争われたものです。
普通だったら、寄託契約関係の中で、受寄者が供託金取戻請求を拒否しただけのように見えます。
要は、単に私法上の関係でしか無いので、公権力性は無いのではという疑問が立ちます。
ですが、供託官の「却下」には審査請求が認められている点、「却下」という文言自体が行政処分かのような文言である点を指摘し、
供託官のした「却下」は、供託官に与えられた「行政機関としての立場から・・・判断する権限」に基づいている旨を判示しました。
このようにして公権力性を認めたわけですが、そのときの言い回しは、行政機関として判断した、というものです。
みなさんも、処分の公権力性を認定するときは、一方的になされた、というのでなく、行政機関としての判断としてなされた、と書いてみてはいかがでしょうか。
以 上
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