中央大学ロースクールにて、司法試験合格者数についてのお知らせが流れてきました。
中央ロー卒業見込みを受験資格とする3年次在籍の受験者82名中、51名が合格したとのことで、合格率は64.20%とのこと。
同条件にての合格率で比較すると、
慶應72.03%
東大68.75%
京大67.21%
一橋65.28%
中央64.20%
ということで、結構競ってるんですよね!
おお〜!6割5分近い人たちが合格できるなら、やっぱりロースクールってすごいんだなぁ!
と思う方がいれば、少しだけ注意が必要です。
今回は、司法試験合格率を見る上で、我々が覚悟する姿勢について共有します。
単にロースクールを卒業する程度に勉強しても合格できない
先に共有した合格率は、「ロースクール卒業見込みを受験資格とする者」を対象としたデータです。
例えば、ロー在学中に司法試験を合格できなかった人(修了生)はここに含まれていません。
では、修了生も含めた合格率はどうなるでしょうか
慶應59.35%
京大49.31%
一橋48.78%
東大47.45%
中央45.86%
と、随分数字は減ります。
結局のところ、在学中に合格する人のほうが、ローを卒業した人よりも合格率が高いということです。
ちなみに、中央ローの修了生の合格率は31.00%。
在学中に合格できなかった人、あるいは在学中の受験資格を得られなかった人たちは、授業に追われるばかりに終わってしまったか、あるいは卒業後あまり勉強がはかどらなかったのか…
要は、ロースクールを卒業するだけの勉強をしていたはずなのに、そういった人たちの合格率は在学中の人たちに随分劣るという事実があります。
後述するように、ローを卒業するのだって簡単ではありません。
それなのに、卒業してみたところで3割近くしか合格できないのなら、なんなんやって話ですよね。
では、在学中の人たちの方が2倍近く受かる可能性が高いこの事実は何を指すのでしょうか?
結局のところ、ローの授業と並行しつつも司法試験対策もしっかりやれるだけの勉強体力と集中力と少しの才能があるからこそ、在学中に合格できるのかもしれないのですよ。
そもそもローの予習自体、完璧にしようと思ったら時間がかかります。そこに復習を加えて、更に司法試験対策までするなんて、僕からすると信じられません。
そういうわけで、一見すると高そうに見える合格率も、修了生を加えてみるとかなり減少するので、自分はどのくらい勉強体力・集中力があるのか良く把握しておきましょう。
この点に不足を感じるようであれば、勉強のパフォーマンスが上がるような生活習慣・勉強方法を今のうちから模索すべきです。
単にロースクールを卒業すればOKではないのだと注意して、その上で入学を検討しましょう!
留年する可能性も視野に入れる
そうは言っても、修了生入れて5〜6割が合格できるなら、ロースクールってやっぱすごいなあといったところなのかもしれません。
ところが、その合格を勝ち取るのにどのくらいの時間がかかるかも念頭に置いておきましょう。
というのも、当たり前のことですが大学院にも進級・留年というものがあります。
そして、例えばわがロースクールでは約30%が2年次で留年しています。(ちな、今年は50%にも迫る勢い)
ロースクールの定期試験は、予備試験くらいには難しいですし、そもそも全ての範囲から出題される科目が多いので、勉強量も多いです。
しかも、ソクラテスメソッドによる授業が展開されるので、先生によっては相性の良し悪しで精神的ストレスに苦しむこともあるはず。
私も絶賛そのタイプでして、自分のメンタルの弱さに悔やんでいます。
おそらく、在学中合格を思い描いている人たちは、既習なら2年後、未修なら3年後の晴れ晴れとした姿を思い描くのでしょうが、
果たしてストレートに進級できるかな?という問題があることを忘れないでください。
だから、合格率は補充的に考慮する
そういうわけで、このロースクールは合格率が高いから、ここに入学しようという視点は、個人的にはお勧めしていません。
てか、その理屈が通るなら、独学が一番ということになる(予備試験受験者の合格率は92%超)。
結局のところ、あなたがどれだけの勉強体力をもっているのかが重要なのですね。
ですから、あんまり変にロースクールに期待していると、留年の危機が迫る時、あるいは司法試験に合格できなかった時、
あれ…こんなはずじゃなかったのに…
と後悔することになるでしょう。
絶賛、今の私がその状態です。
私のような、運動もろくにしてこなかった人間は、むしろロースクール入学までに筋トレと有酸素運動をすべきだったかもと思っています。
なので、最近運動を始めました。
いや、なんの話〜!
以 上
コメント