民事実務の授業で思ったこと。「人は平気で嘘をつく」

ロースクールの授業では、実務家の方を講師に招き、民事実務や刑事実務の基礎的なことを教えてくれるものがあります。

ですので、裁判官の先生であれば訴訟での当事者間の争いをずっと見てきたわけですし、そこでの色々な話を授業の中でしてくれることもあるわけです。

民事実務の授業では、民事裁判を主に担当していらっしゃる裁判官の先生が授業をしてくれましたが、民事紛争における証人尋問であるとか、契約書の証拠調べであるとかについて面白い話が聞けましたので、共有します。

本日のテーマは、「人は平気で嘘を付く」です。

宣誓せども…

証人尋問にあたり、嘘をつかない旨を証人に宣誓させますね。

ところが、訴訟というのはお互いの言い分が食い違っているから起こっているのです。

ですから、証人尋問をしてみても、やはりお互いの証言同士、辻褄はあいませんね。

そういうわけで、必ずどちらかは嘘を付いているものなのです。

それは、実際の現場でもそうだというのです。

まあ、そうなるものだから仕方ないよね、と言われればそうなのですが、

民事訴訟というのは、平気で嘘を付いてでも勝つのだという醜さがあるのだなと。

そもそも、訴訟に乗っかってくるようなトラブルというのは、得てしてこじれている。

先生が仰いました。

トラブルをこじらせないためにも、契約書なりなんなりを、しっかり準備しておくことは大事ですね!

偽造される契約書

ところが、書面なんていうのも、偽造しようと思えば、ひとまずはできてしまうもの。

そういうわけで、裁判所では契約書の写しだけではなく、原本の提出も求めているそうですよ。

写しでは分からなかったが、原本をみてみると、なにやらボールペンで加筆されている、なにやらインクが作成年代と一致しない。

そんなことが判明するそう。

そういうわけで、写しだけを提出すると、裁判官の心証としてはかなりマイナス。

契約書のような書面は、とにかく原本が命!

人は嘘をつく生き物

まあでも、よくよく考えてみると、ついつい人は嘘をついてしまうものですね。

それは往々にして、自分にとって不利益な事実を隠すという形で嘘をつく。

自己保身の嘘。

本当は真実を明かすべきだという思いが誰の心にも湧くもの。

しかし、真実を明かせば自分に不利益が及ぶ。

そんな人間の心の葛藤が、法廷の上でも展開されているのですね。

いやいや、道徳的に生きましょうよぉ!

そんな心持ちは、およそ信仰者でもなければ高い要求ですね。

しかし、

隠してもいつかはバレるもの。

以 上

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